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過眠症

日中の過度の眠気がある場合、当院では原因を詳しく探るためにいくつかの分類に分けて診断を行います。いずれの場合も、まずは睡眠日誌を記載していただき、実際の睡眠習慣を正確に確認することから始めます。

過眠を引き起こす主な原因

日中の眠気は、単なる寝不足だけでなく、質の低下やリズムの乱れなど様々な要因が考えられます。主な原因は以下の通りです。

睡眠の量の不足 必要な睡眠時間には個人差がありますが、睡眠時間不足が原因となっているケースは少なくありません。また、むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害など、入眠を妨げる疾患が隠れている場合もあります。
睡眠の質の低下 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のほか、睡眠中に足が不随意に動く周期性下肢運動異常症、睡眠中のてんかん発作などが原因で眠りが浅くなっている状態です。
覚醒の維持の問題 ナルコレプシーや特発性過眠症といった、いわゆる中枢性過眠症がここに分類されます。脳の覚醒を維持する機能に問題が生じる疾患です。
サーカディアンリズムの問題 夜更かしによる睡眠相後退症候群(DSPS)や、逆に早寝早起きが極端になる睡眠相前進症候群(ASPS)など、体内時計のズレが原因となります。

ナルコレプシーと特発性過眠症の特徴

中枢性過眠症の代表的なものに、ナルコレプシーと特発性過眠症があります。

ナルコレプシーは、日中の耐え難い眠気に加え、笑ったり驚いたりした際に急に脱力するカタプレキシーという症状が見られるのが特徴です。逆に夜間はぐっすり眠れず、何度も目が覚めてしまうこともあります。

特発性過眠症は、1日中強い眠気が続き、10時間以上眠っても寝足りない感覚が残ります。仮眠をとってもすっきりしないという特徴があります。

過眠症の解説図

これらの疾患は、適切な薬剤治療によって眠気をコントロールすることが可能です。放置すると学業や仕事などの人生に大きな影響を及ぼすため、早期の診断が非常に重要です。

過眠症の精密検査とその手順

過眠症の診断には、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)と睡眠潜時反復測定検査(MSLT)を組み合わせて行います。当院では、2021年のアメリカ睡眠医学会(AASM)のガイドラインに基づき、国際基準に則った方法で検査を実施しています。

  1. 事前の睡眠リズムの記録
    検査の2週間前から睡眠日誌を記載し、規則正しい生活を送っていただきます。睡眠不足の状態では正確な診断ができないため、十分な睡眠時間を確保することが必須条件です。
  2. 終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)
    夜間に院内で脳波や呼吸の状態を測定します。少なくとも6時間以上の睡眠がとれていることを確認します。睡眠時無呼吸がある場合は、CPAPを使用しながら記録することもあります。
  3. 睡眠潜時反復測定検査(MSLT)
    PSGの翌日、日中に2時間おきに4〜5回の仮眠検査を行います。眠るまでの時間(睡眠潜時)が平均8分以下であることが、過眠症の診断基準の一つとなります。スタッフによる体験記はこちら。

【注意】睡眠時間不足の方、睡眠覚醒リズムが著しく崩れている方、睡眠日誌を正確に記録できない方、睡眠に影響を与える薬を服用中の方は、正確な判定ができないため検査を行いません。

その他の要因による眠気

生活習慣や中枢性の問題以外にも、以下のような原因で強い眠気が生じることがあります。

神経疾患 脳血管障害、多発性硬化症、パーキンソン病など、脳の視床や脳幹に影響が及ぶことで眠気が現れる場合があります。
精神疾患 うつ病の症状として過眠が現れることがあります。強い抑うつ症状がある場合は、専門の医療機関と連携して治療を行います。
薬剤の影響 服用している薬の副作用で眠気が出ている可能性もあります。受診の際は必ずお薬手帳をご持参ください。
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