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学会で教育講演を行いました(てんかんと睡眠)

[2022.02.07]

昨年度に引き続き今年度も12月17日に第51回日本臨床神経生理学会学術大会にてレクチャーをさせて頂きました。ここではその冒頭でお話した内容をご紹介いたします。

近年、てんかん患者さんはレストレスレッグズ症候群(RLS)や睡眠時歯ぎしりなどの睡眠関連運動異常症を合併しやすく睡眠の質も低い、という質問紙を用いた研究結果が発表されました1)

また、終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)や睡眠潜時反復測定検査(MSLT)という客観的な検査を用いてsleep pressure(眠たくなりやすさ)を調べた研究では、てんかん患者さんの約半数が病的(平均睡眠潜時が8分未満)で、1/3に至ってはナルコレプシー患者と同様にsleep pressureが強い(平均睡眠潜時が5分未満)ことが示されました2)

若年ミオクロニーてんかん患者さん99名の睡眠の質とPSGにて睡眠ステージを解析した論文では、睡眠の質が低く、寝付きが悪く、中途覚醒の増加や浅い睡眠ステージの増加が確認されました3)

睡眠の客観評価であるPSGを使った研究はまだまだ少なく、今後の研究が待たれるところですが4)、このように、睡眠関連疾患がてんかん患者さんの生活の質に及ぼす影響や、てんかんそのものが睡眠に与える影響に注意が向け始められています。

当院ではてんかん発作の抑制だけでなく、睡眠関連疾患の合併の有無を意識しながらの診療を心がけています。

1)Khachatryan et al., J Clin  Sleep Med. 2020

2)Grigg-Damberger et al., Epi & Behav. 2020

3)Roshan et al., Seizure. 2017

4)Sudbrack-Oliveira et al., Sleep Medicine. 2019

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