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院長ブログ

関電睡眠カンファ11月(2022.01.16更新)

かなり更新が遅れてしまいましたが、2021年11月のテーマは「過眠と精神疾患」でした。

複数のポイントにわけて解説します。

ポイント1:過眠は精神疾患において重要である 

・大抵の精神疾患は睡眠の異常を呈します。診断基準に睡眠の異常が含まれているのは、大うつ病、躁うつ病、全般性不安障害、PTSD。臨床的にみられるものは統合失調症、パニック障害、認知症、ADHDなど。

・概念:EDS(日中の過度の眠気)と睡眠時間増加と不眠がからみあっている。EDSと睡眠時間増加とのオーバーラップはEDSを伴って睡眠時間が増える状態、EDSと不眠とのオーバーラップは不眠の結果としてEDSを伴った不眠、睡眠時間増加と不眠のオーバーラップはclinophiliaといって、睡眠時間の延長なしでベッドにいる時間が長い状態。

・ここで重要な語句の解説です。単語としては似ていますがぞれぞれ以下の意味で使われます。

Hypersomnolence:日中の過度の眠気であり、しばしば総睡眠時間の増加を伴う

Hypersomnia:総睡眠時間の増加。

・大うつ病のエピソードついて大多数の患者が睡眠の問題をもっています。80%以上が不眠を呈し、20ー30%が過度の眠気を呈します。大多数の研究が不眠にのみ注目しており過眠への注目は低いとされます。

・EDSはうつにおいて重要で、日常生活に支障を来し、治療に抵抗性な症状で、うつ再発の予測因子となり、自殺企図に関連すると言われています。

 

2.精神疾患における過眠の評価は簡単ではない 

・EDSは、起き続けられない、簡単に眠りに落ちてしまう、うとうとする、目がしょぼしょぼするなどと表現されることがあります。

・一般的に主観的な眠気はEpworth Sleepiness Scale(ESS)で、客観的な眠気は睡眠潜時反復測定検査(MSLT)で評価されます。

・MSLTはナルコレプシーなどの中枢性過眠症の診断に使われていますが、hypersomnolenceを伴った精神疾患の25%が病的な眠気の基準(平均睡眠潜時が8分未満)を満たしてしまうため、MSLTだけでは後者を除外できません。ただうつ病は主観的な眠気が強く、客観的な眠気すなわちMSLTで病的と診断される可能性は低いという特徴があります。

3.Hypersomnolenceを測定する方法

・様々ありますが、Psychomotor Vigilance TasK(PVT)という、単純なタスクをやってもらって反応時間をみる方法があります。ミスの数や反応時間がEDSやうつと相関すると言われています。

・Pupillometory(瞳孔測定)という方法は暗所で瞳孔径の自発的な変動を測定するもので、眠気が増加したときにみられる瞳孔径の揺らぎを定量化します。暗くすることで光の影響を無くし、中枢からの影響のみがわかる(青斑核のノルアドレナリンの活動を反映)検査です。

・Pupillary Unrest Index(PUI)が主観的なEDSやうつと相関し、覚醒時の脳波での徐波と関連すると言われています。

・上記の様にPVTとPUIがうつにおける眠気を評価できるかもしれないと言われています。

4.うつにおける睡眠の特徴

・hypersomnolenceを伴ったうつでは健常者より1.4時間長く眠るが、睡眠効率は差がない。

 

他にも研究や治療などの知見がありましたが割愛いたします。

EDSが精神疾患の影響が強いと判断した場合は、精神科専門医にご紹介いたします。

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