脳神経内科疾患について
てんかん
大脳ニューロンの過剰な放電に由来する反復性の発作(てんかん発作)を起こす慢性の脳疾患で病気の原因は様々です。てんかんの種類や状態によって、発症年齢や症状、重症度が異なります。
生後1年未満の発症が多く成長と共に減少しますが、中高年以降で再び急激に増加に転じるため運転の可否などが社会問題になっています。治療は薬物療法が中心で、最初の1-2種類の抗てんかん薬で7割が発作を抑えることが出来ますが、難治の場合などは手術適応になるかを検討し手術機会を逃さないようにする必要があります。
やむを得ず複数の薬剤が必要な場合も、いたずらに増量することなく有効性を考えながら
なるべく薬の量が少なくて済むように調整して参ります。
認知症
記憶力の低下が主体のアルツハイマー型認知症、動作緩慢や幻視などを伴うレビー小体型認知症などが代表例ですが
ビタミンB群や甲状腺機能の低下で生じるものとは治療が異なるため
認知機能評価、採血、頭部MRIなどの種々の検査を組み合わせて診断していきます。
当院で行えない検査は他施設と連携して行います。
なるべく患者さんの負担にならないような薬物調整をこころがけます。
パーキンソン病
動作緩慢、震えなどが主症状の疾患ですが、認知症や自律神経障害など非運動症状も合併するため全身病という捉え方がされるようになってきました。
症状を緩和する種々の薬剤が開発されていますので状態に合わせて調整して参ります。
中枢性過眠症
代表疾患であるナルコレプシーは比較的若い次期に発症し、テスト中や大事な会議中に寝ってしまうなど、日中の過度の眠気を主症状とします。金縛りを起こすこともあります。
驚いたり笑ったりしたあとに力が抜けるカタプレキシーと呼ばれる症状があるタイプと、無いタイプに別れます。
また、ナルコレプシーの診断基準を満たさないもののとにかくよく眠ってしまう、特発性過眠症という疾患も存在します。
病気だと気づかないまま過ごし、残念なことに進学できなかったり解雇されそうになったりした方が少なからずおられます。適切な診療で人生が変わりうるので、まずこれらの病気の存在を意識することが大切です。
診断には特別な設備が必要なため大学病院に紹介することになりますが、その前に睡眠時間不足や睡眠時無呼吸症候群などと見分けることも重要です。関西電力病院での経験を活かして鑑別とフォローを行いますのでまずはご相談下さい。