レム睡眠行動異常症
レム睡眠行動異常症
夢内容に一致した言動がみられ、激しくなるとベッドパートナーを殴ったり、壁をたたくなどで怪我をする方もいらっしゃいます。60歳以上の4.6-7.7%にみられるとされ、高齢になるにつれてその割合は上昇します。レビー小体病(パーキンソン病、レビー小体型認知症など)の前駆症状として出現することがあり、発症後12年間で73.5%の患者さんがこれらの病気を発症すると言う論文もあります。
この病気の診断には終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)が必須となっています。通常は夢を見る睡眠ステージ(REM睡眠期)では脳からの指令により筋肉の緊張が最も低下して、夢を見ても体が動かないようになっているのですが、この病気では筋緊張の低下がみられなくなるため(REM sleep witout atonia: RWA)それをPSGで確認するわけです。
当院では院内で一泊して頂いてビデオを併用しながら検査を行う事ができます。体が動いてしまっても怪我をしないように、床や壁にクッションを貼った部屋があり、睡眠検査技師がご様子や安全を確認しながら記録を行います。下記に診断基準を示しますが、「夢内容の行動化」である証明が必要なので、ビデオ撮影に加えて夢内容の確認も行います。
治療としましては、症状を和らげる薬を処方しつつ、定期的な診察を通してレビー小体病を発症していないかを確認していきます。発症が疑わしければ広島赤十字・原爆病院での茶谷院長の外来枠などを利用して画像検査などを手配して診断に努めます。実際にこのような流れでパーキンソン病の診断がつき治療を開始できた方もいらっしゃいます。