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睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が十分になされないイベントが頻回に起こることで、睡眠の質が低下したり、低酸素状態や交感神経活動の過剰興奮を引き起こす症候群です。前者は日中の眠気や熟眠感の低下などを、後者は長年続くと高血圧、心筋梗塞、糖尿病などにつながることが知られています。舌の根元が落ち込むことで生じる閉塞性無呼吸症候群が主ですが、脳の疾患などによる中枢性無呼吸症候群というものもあります。自覚症状があまり目立たなくても、配偶者などからいびきや無呼吸を指摘されて初めて疑われる場合もよくあります。
日中眠そうな太った中年男性というイメージをよく抱かれますが、自覚症状がなかったりやせている方で生じていることも少なくなく、閉経後の女性で増えることも知られています。自覚症状が乏しくても様々な病気を引き起こすため、疑われればまず検査を受けられることをおすすめします。ただいびきと眠気があっても、夜更かしなどのスリープヘルスの問題が原因であったりすることもあるため、診断には生活全体をきちんと確認する必要があります。

日常生活への影響

睡眠時間不足が続くと、徹夜したのと同じ程度の学習効果しか得られなくなるのに眠気は横ばいになるという有名な論文があります。知らない間にパフォーマンスが低下しているため注意です。

長期的な予後

SASは、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などを発症するリスクがあり、重度になると突然死のリスクを大きく増加させますが、持続陽圧呼吸装置(CPAP)を使用すると健康な方と同程度までそのリスクを下げることができます。認知症にも1.7倍なりやすいとするデータもあります。

診断方法

SASの可能性が疑われる方には、まずパルスオキシメトリまたは簡易型呼吸モニタ検査をご自宅で行って頂きます。

特にパルスオキシメトリは、費用が安く装置が外れてしまってもやり直しが出来るためしばしば用いられます。下の図は異なる重症度の方のパルスオキシメトリの結果を比べたもので、重症SASの方で酸素飽和度(赤)と脈拍数(青)の変動が大きいことが御覧になれます。本来最も体が休まるはずの睡眠時に、非常に大きな負荷が毎晩かかっているというわけです。診察室で患者さんにこの図をお見せすると、皆さん「あっ!」と言って一目で違いをお分かりになられています。

更に詳しいPSG(Polysomnography)が必要な場合(本来はこちらがゴールドスタンダードですが)は、2023年1月より院内で一泊して頂いて検査を行う事ができるようになります。睡眠検査技師がご様子や安全を確認しながら記録を行います。専任の技師が検査につくため精度が高く、外来扱いであるため病院に入院して検査するより一般的に費用の負担は低くなります。入院での検査をご希望の場合は広島赤十字・原爆病院や広島大学病院などにご紹介いたします。

治療について

検査結果に応じて、CPAP装置を使った治療や、マウスピース、体位変換法(横向き寝)などの治療を行っていきます。治療によって状態がどう変わったかをCPAP装置のデータやパルスオキシメトリなどをみてフォローアップしていきます。関西電力病院での経験から、どういう方にどの会社のCPAP機器が適切か、どのようなマスクが合うかを存じており、複数の機器の中から選んで適宜調整してまいります。詳細は次のリンクをご覧下さい⇒CPAP機器の紹介

令和5年度8月から、オンライン診療を行っている方でも3ヶ月に1度は対面診療を挟むことが必要となります。

日中に加えて火曜と木曜の夜間(18時~19時30分)も対面及びオンライン診療を行っていますので、日中お忙しい方や遠方の方などは医師にご相談ください(要予約。詳しくはオンライン診療のページを御覧下さい)。

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