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山口SAS研究会での発表

[2023.11.05]

10月の終わりにWeb講演をさせて頂きました。座長は大変御高名な山口県の土屋先生と田村先生が務められました。睡眠診療は医師だけで出来るものではなく、技師さんをはじめ様々職種の方が協力が必要です。今回は技師さんに知っておいてもらいたい睡眠関連疾患の知識についてお話いたしました。

睡眠関連運動異常症やナルコレプシーの動画を複数出しましたが、技師さんに一番馴染みがあると思われる睡眠時無呼吸症候群(SAS)については下記のスライドを提示しました。

SASについては一般にはAHI(1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計数)が重症度の目安として用いられています。ただAHIはあくまで呼吸が悪くなる回数であり、酸素飽和度(SpO2)がどんなに低下しても直接反映されません。上の論文では睡眠1時間あたりの酸素飽和度が低下している時間(分)と低下の深さ(%)の積を低酸素負荷と名付け、これが心血管障害や死亡率と最も関係があると述べられています。我々の実感通りAHIと低酸素負荷との関係はバラツキがあり、例えば上図の例のようにAHIでは中等症のSASなのに、酸素飽和度が72%とかなり低下(90%を下回ると酸欠状態)し酸素飽和度が90%未満の時間もそれなりに長い方もいます(自験例)。このような方は将来の死亡率が高くなる可能性があり、積極的に治療すべきと考えます。このように,、PSGや簡易ポリグラフを行ったときにはAHI(またはREI)だけでなく最低の酸素飽和度(lowest SpO2)と酸素飽和度が90%未満の時間の割合(%time in SpO2<90%)をみるとよいでしょう。

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