睡眠技師ブログ 子供の睡眠時間
当院では院長と技師とで英語の教科書を使用し、定期的な勉強会を行っています。
今回はSLEEP MEDICINE PEARLS THIRD EDITION(PATIENT33)を読みながら子供の睡眠について勉強会を行いました。
取り上げられていた症例は8歳の子供です。夜9時半から10時ごろに寝て朝6時に起きていますが、5歳でやめていた昼寝を週末にしだしたとの事です。
子供の睡眠状態を評価するスクリーニングツールとして「BEARS」スクリーニングツールというものがあるそうです。
B=bedtime issues
E=excessive daytime sleepness
A=awakenings
R=regularity
S=snoring の頭文字で「BEARS」です。「クマ」と同じ綴りですね。
よく使われているスクリーニング検査であるエプワーススリープスケール(ESS)は年長以降でも使用可能ですが、内容の変更が必要です。
(例えば“信号待ち“の部分を”宿題中・テスト中“に変える、
”アルコールを飲んでいなくても眠気“の設問を削除したりして使用)
子供は大人と違い眠気を訴えることが少なく、日中傾眠を訴えてくる事はまれです。
眠気が不注意や学習困難、行動異常というかたちで表れると言われています。
昼寝を辞めた子が再度、昼寝をし始めたら日中傾眠の表れだそうです。
昼寝は3~7歳のうちにしなくなるというデータがあります。
確かに、保育園の年長さんになったら昼寝の時間が無くなっていた気がします。
昼寝をやめた子が昼寝を再開しだしたら睡眠時間が足りていない可能性があります。
子供に必要な睡眠時間は実は長く、5歳でおよそ11.5時間。
ちなみに4歳だと11.8時間なのでほぼ12時間…一日の半分ですね。
10歳で10時間。高校生に入る前の15歳でも8.5時間以上が必要と言われています。
つまり、10歳の子供が朝7時に起きる場合は夜9時には眠らないといけない計算となります。
先日、ファミリーレストランに夜8時ごろ行きましたが小学生以下のお子様もいらっしゃいましたし、学校帰りの高校生も居ました。両親のお仕事の勤務時間や部活動や塾、習い事をしている方も少なくないと思いますので、なかなか夜の9時に就寝することは難しいのかもしれませんね。
また、スマートホンやタブレットといったポータブルの電子機器が寝室に持ち込めてしまうのも睡眠時間が減る要因になっているように感じています。
寝付くまで(眠くなるまで)動画を見る、ゲームをすることで、眠れない。
スマートホンを寝室に持ち込まない事で対策できるかもと思いますが、スマートホンを目覚まし代わりに使っているので寝室に持ち込まざるを得ない、という方もいるかと思います。
より良い睡眠をとるために、まずは適切な睡眠時間がとれる環境を整えることが大切ですね。