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広島大学睡眠カンファレンス

[2021.12.07]

11月2日に広島大学霞キャンパスで発表をする機会を頂き、「高齢者てんかん」について話して参りました。

私はてんかんと睡眠の両方の専門医資格を持っておりますので、睡眠側からみたてんかん、あるいはその逆について話をすべき立場にあると思っています。

高齢者は小児よりもてんかん発病率が高く、脳梗塞などの脳血管障害が関係しやすい一方、病変がはっきりしないケースも多いとされています。

高齢者のてんかん発作は約半数がけいれんのない発作で、発作後もうろう状態が長く続くことがあるため認知症と誤認されやすいと言われています。

高齢者におけるてんかん発作の鑑別として、まず失神などの循環器疾患や、低血糖や電解質異常などの代謝・内分泌疾患をしっかり除外する必要があります。その他に鑑別が必要な重要な疾患として、睡眠時無呼吸症候群とREM睡眠行動異常症があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんは十分な呼吸ができないため、しばしば一過性の覚醒を来します。そのときに、声をだしたりベッドを叩くなどの行動がみられ、レム睡眠行動異常症との区別が問題となることがあります(藤井ら 臨床神経 2018)。更にこれらがてんかん患者さんに合併していることもあり、どの症状がどの疾患によるものかをきちんと鑑別することが必要です。

SASとレム睡眠行動異常症との鑑別は、ビデオを撮りながらの終夜睡眠ポリグラフ(PSG)で可能ですが、更にてんかんをお持ちの方は長時間ビデオモニタリング脳波も必要になってきます。複数の医師との討論を要するケースもあり、その場合はてんかんセンターへ紹介いたしますので、お悩みの際はまずご相談下さいませ。

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