片頭痛診療について
近年、片頭痛の治療薬が立て続けに上市され、治療の幅が広がってきました。
片頭痛の原因として三叉神経血管説が唱えられており、セロトニンの低下やストレスなどで三叉神経が刺激されることによりCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などが放出され、血管拡張や神経原性炎症を来した結果頭痛が起こると考えられています。
片頭痛急性期の薬としては、炎症を抑える薬(非ステロイド系抗炎症薬)と血管を収縮させる薬(トリプタン)が主役であることは変わらないものの、特に後者は服薬タイミングを逃すと効果が出にくいという問題がありました。近年発売されたレイボーは、特定のセロトニン受容体を選択的に活性化する作用を持ち、服薬タイミングが遅れても頭痛を軽減する効果があります。
また片頭痛は予防療法も非常に大切ですが、CGRPの働きを抑える薬剤が複数発売され(アジョビ、エムガルティ、アイモビーグ)、既存の予防療法では改善しない症例にも有効性を示しています。
このように、片頭痛治療は薬剤が充実してきており変化しつつあります。
当院では患者さん個人の状態をみながら、漢方薬なども組み合わせ、頭痛の日常生活への影響が少なくなるよう調整して参ります。詳しくは頭痛のページをご覧下さい。